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姫はじめは男のロマンです



着物の裾から覗く細くて白い脚に俺は思わず片手で顔を覆った。本当にこれは目の毒でしかない、というか喰ってくれと言わんばかりなのだから喰っていいのだろう。もういい、僕はそう解釈しますよ奥さん!なんでやねん!等のツッコミを一人でしてからその素肌に俺は口を寄せて跡を残した。抱いた腰が僅かに揺れていてきっとこの確信犯は笑いを必死に堪えているのだと容易に想像できる。もういいです(笑)でもなんでも結構!ただしちゃんと骨まで喰い尽くすので君を食べさせてください。狼さんはもう腹ペコです赤ずきんちゃん、いや赤ずきんじゃなくてこのばあい赤和服ちゃん。なんだそりゃ。なんでもええわだって美味そうなのは全部一緒だしな。
「今アホなこと考えてるんだろお前」
薄く口紅の塗られた唇が笑みを湛えている。胸は無いから男の身体、なのに女物のしかも赤の着物が似合うってどうなのよ。いや俺的には和服美人も好みに入ってるからぜんっぜんOKなんやけどね。つーかいつも思うけどコイツの顔も身体もホント俺のストライクゾーンど真ん中だよな。狙ってんのかな、天然だったらすげーことだと思わん?
「脱がせる醍醐味ができて嬉しいだろ?聖奈に感謝しろよ」
「聖奈?ああセムな。なにやっとんねんあいつ…」
一体どういう経緯で知り合ったのか知らないがMZDとセムは仲が良い。セムとは呼ばず本名の聖奈と呼ぶくらいだ、その仲は保障できる。そのため年中服を作ってもらえているらしくMZDも喜んでいる。たまに女物の服が混ざっているが…まさか女だと思い込んでるわけじゃないやろな?それともソッチ系の感情を持って…いやいや、あいつはただのシスコンだから心配いらないだろう。
「タダでくれるなんて気前ええな」
「でも下着まで全部作ってくれたからな、流石にその申し出は断ってちゃんと払ってきたよ」
「……下着て。そんなに細かく採寸したんか?」
「もちろん。あっちもこっちも細かく見られて流石の俺も照れっ」
さっきまでの俺の思考に対して撤回しよう。やっぱアイツはただのシスコン野郎やない、俺の抹殺対象になったわ。…たった今。
「ん、んん」
キスして少し離れ、その顎から首へのラインに舌を這わせる。つ、と鎖骨に舌を添えると白い喉が仰け反った。片腕で腰を抱きながらもう片方の手を胸のところから着物の中へ差し込んだ。
「ん?肌襦袢はナシ…長襦袢だけか。作って貰わなかったんか?」
「着てないだけ…どうせお前に脱がされるし」
「脱がす布は多いほうが俺的には好きやで。いかにも抱こうとしてるみたいで興奮するやん」
「変態。ベッドもあるのに俺が着物貰ったって報告した途端布団なんか買ってきやがって」
俺の家にある唯一の畳部屋にこの行為のためだけに買ってきた布団を敷いている俺は確かに変態でアホだと思うが楽しむ時は二人一緒なのだから文句を言える立場じゃないと思う。建前は腰が痛くなるからと俺の良心で、本音は俺が楽しみたいだけ。少し現金な気がしないでもないけど気のせいってやっちゃな、うん。
布団の上に押し倒して帯を解く。うまく解けないフリをしてゆっくり焦らすように肌蹴させていけばさっきまでの強気な顔つきが一変、目許を赤く染め羞恥を感じたのか僅かに解くのを邪魔するように腕を動かした。やはりこうで無くては。行為は相手が少しウブなくらいがちょうどいい。
「遊郭に来たみたいやな。しかも相手は水揚げのおなごっつう」
「……処女が好みかよ」
呆れた声を無視して着物を肌蹴させる。長襦袢の上に締めている伊達締めに手をかけようとしてやめた。そのまま手を下へと滑らせ布の下に隠れている足の付け根に差し込む。その瞬間びくんと身体が震えた。
「待ったそこはまだ…!」
「なにがやねん?………おおっ」
思わず感嘆の声が漏れた。なんと身に付けていたのは女物の下着。流石に苺パンツ…とまではいかなかったが、真白で無地のパンツというのもこれはこれで初夜っぽくてそそる。…頼むからそこの画面の前に居るお嬢ちゃん、引かんといてや。
「セムもやるやん」
「…流石にトランクスってわけにもいかねーからさ…」
俺のせいじゃない!とばかりにセムへ責任をなすりつけようとしているがその顔は真っ赤だ。思わず俺は真夏の畑に生えている真っ赤なトマトを想像した。
「お前も興奮しとるやん。少しパンツに染みができとるで」
「や、……っ」
布越しにMZD自身をいじめるとますますパンツに染みが広がった。嫌がるように首を振ったのでお望みどおりに、と下着をずり下ろせばとろりとした液体が布とそれを繋いだ。淫猥な光景に俺もMZDも思わず唾を飲み込む。これはマズイ、見てるだけでイけそうだ。もちろんそんなヘマはしないが気持ち的な問題。こういう淫らな光景は嫌いじゃないから。
片足だけ下着から足を引き抜いて、やっと開かせることができる。白い脚を左右に割らせる瞬間ほど面白いものはない。挿入するときよりも恥ずかしがって脚を閉じようとする様がまたツボだ。
「かなり濡れとるな」
「見んなっ…」
「嫌?でも見られてるだけでまた濡れてきよったで、ほんまやらしい身体やな」
まだ触ってもいない彼自身が言葉に反応してひくりと震える。本当は刺激が欲しくて堪らないのだろう、それでも俺は観察するだけ。触りはしない。恨めしそうな視線を向けられたが見て見ぬフリを決め込んだ。
「ゆず…なあもう…」
「んー?何?」
「………ッ、触って…」
堪えきれなくなって漸くおねだりしてくれた相手に俺は喜んで指を絡めた。少し強めに握って1、2度扱き上げればどぷりと音を立てて蜜が零れ落ちる。
「んあぁ…ッ!強…っあ…待っ…早、いッ」
「ええから一回出しとき。そのほうが楽やで」
「手っやめ…!あぁっもう…出…」
ぶる、と一度身体を震わせてMZDが達する。吐き出される前に口内へ引き入れて、溢れたそれを口で受け止め飲み込んだ。ねばつく液体もこいつの物だと思ってしまえばなんてことはない、不味く感じることさえなくなる。
「最短記録更新か」
「……ご、強引にイかせる奴があるか。バカ」
肩で息をする相手にすまんと詫びるのも兼ねて内腿にくちづける。すこしキツめに吸い付くと白い肌に赤く跡が残った。
「んじゃお嬢さん失礼するで」
「誰がお譲さんだ……っ…」
俺を受け入れさせる予定のそこへ指を一本埋め込む。苦しげに吐き出される吐息がまた男の性を煽っているのには気づいていないだろう。前立腺を爪で引っ掻くと身体がしなやかに反応を返した。まるで一種の舞のようだ。乱れた着物の赤色がひどく目に鮮明に映った。指を増やせば増やしただけ反応を返してくる。3本目の指を仲に押し込んだところで目の縁に溜まっていた涙がはたりとシーツに落ちて染み込んでいった。
「挿れるで」
「ん、ぅっ」
慣らす行為もそこそこに俺をあてがう。脚を抱え込むと体重をかけて身体を割り開いていった。
「あっ、ぁ……っ」
徐々に押し込んでいた自分自身が根元まで埋め込まれる時は本当に男として至幸の瞬間だ。中の壁が熱く絡み付いて相手の鼓動までその全てを感じることができる。快楽だとかそういう感情を除いて物理的に繋がっていられる快感。求めて求められた末にやっと一つになれた…人間の感情はイマイチわからんが多分こういうのはどんな生物にしたって同じなんだろう。
「お前すげードキドキしとるやろ。中に入っとると全部わかるで」
「おま…っこそ…ドクドク鳴ってるっつうの…」
「そーや。俺も今、すげー興奮しとるよ…お前と同じ」
腰を掴んで浅く突き上げ快感を誘う。同時に緩く勃ちあがっているMZD自身を柔らかく握り込めば中が締まりびくりと身体が跳ね上がった。覆いかぶさって襦袢をめくるとそこには赤く熟れた突起が。舌で転がし吸い上げると予想以上に感じたらしく足袋を履いたままの足がシーツを蹴った。胸を舐められるのが嫌なのか腕で押し返そうと努力はしているようだが俺の身体はそんな細い腕で動じるほど柔じゃない。基本的に無理だ。
「なッあ…なん、で伊達締め…解かねぇっ、の…?」
「ん…中途半端に脱げてるほうが視覚的に楽しいしそそる」
「なんのフェチだよ…ん、痛っ」
急に一番奥まで突いたのが効いたのか痛みを堪えるようにぐっと唇を噛んだ。その顔があまりにもその、俺好みだったもんで。
「でかくすんなアホッ」
「いでででで千切れる千切れる力むんやないっちゅーの つうかお前でかいほうが好きやろが」
「そういう問題じゃ無い。今なに考えやがったてめぇ」
「(否定はしないのか)いやー水揚げのおなごを犯すのは楽しいなと」
「死ね変態」
「んなこと言うて」
耳元に口を寄せて囁く。
「お嬢ちゃん、オトコは初めてか?」
「はっ…?」
「今日が初めてなら、優しくしたるで」
「悪趣味…お前本気で」
「呑まれとき」
耳朶に齧りついて女と同じように胸を揉む。子供の身体だ、柔らかい肌のおかげで小さい胸だと思えないこともない。なによりこんな全身が敏感なものだから男の身体なのに胸でさえ感じてしまうお前が悪い。ここは一つ、楽しませてもらうことにした。
「今日が初めての接客なんやろ?どや、俺の味は」
「どう、って…ンッ!」
「なんか感想あらへんのん?もっと俺を楽しませてくれや。そうすりゃまた指名して可愛がったる」
「あぁ…あっ…大き…」
「美味い?なァ、旦那様って言うてみ」
「ッ……美味しいです旦那様…っ」
…これはいろんな意味でおいしい。はまりそうでヤバイ。
「もっと腰…揺らして」
「んん、んっ…っは…い、ぁ」
俺の肩にしがみついて言われたとおりにMZDは腰を揺らした。浅く呼吸を紡ぐ口にキスをして塞ぐと隙間から吐息が漏れてそれがまた色っぽく惹かれる。
「もう出してええ?中に…子供が出来たら産んでくれや、認知したるから」
「や…もう……旦那様っ…」
「ええなそれ…もっと呼んでくれへん?すっげえゾクゾクする」
旦那様、とまた呼ばれて己が膨らむのが分かった。MZDもそれを感じ取ったのかひゃう、と1オクターブ高い嬌声を上げた。互いが互いを追い詰めるこの絶頂感が堪らない。最後に果てるまでどちらが先だとか早いだとか遅いだとかの勝負で負けるわけにはいかない。
「だ…っなさま」
「イってええんやで?もっと奥に神経集中させて…感じて、俺でイくとこ見せてや」
「ダメです旦那さ……っ見ないで…ぁ、あっ…」
これで最後とばかりに強く突きこめば俺の思惑通り、太腿を一瞬跳ねさせてから達した。先端から溢れさせている間もあ、あ、とか細く啼いてその快感に震えている。よっしゃ後ろだけ自分のだけでイかせやったぜ!と内心ガッツポーズを取った瞬間、急激な締め付けが俺を襲った。
「ッ、」
思わず上げそうになった声を押し殺し、俺も中へ注ぎ込んだ。挿れる時が至幸の瞬間なら己のモノだけで相手をイかせて尚且つ中で果てる時というのは男冥利に尽きるというものだろう、と俺は考える。俺を放してくれない内壁の締め付けを思う存分堪能してから腰を引いて中から強引に引き抜いた。ごぽんと音を立ててだらしなく開かれた脚の間から溢れてくる白く不透明な液体の光景にたったいま萎えたそれがまた元気になりそうになって、いやいや流石にまた勃たせたのがバレたりなんかしたら今度こそ俺のムスコを使用不可能にするようななにか恐ろしい攻撃を受けてしまうと自分に言い聞かせてついでに手の甲も強めに抓ってそれを耐えた。かなり頑張って耐えたと思う、褒めてもらいたいくらいだ。





背中からでている不機嫌そうなオーラはこんな隣の部屋まで漂ってきている。だってお前そんなんけしかけてきたのは俺じゃないんだぜと言ってもどうせ聞かないと思うので敢えて何も言わない。本当のことなのに。
「はちみつれもん」
「……こんなんで俺の機嫌が直ると思ったら大間違いだぜ」
なんて文句を垂れつつもちゃんと受け取るあたりコイツやっぱり俺に惚れてるななんて少し自惚れてしまうのだけれどまあ本当のことだし自惚れじゃないだろうと自己完結してみる。布団に寝そべったまま、眉間に皺を寄せたまま、でもちゃんとコップに口をつけて飲んでいるその図が可笑しくて思わず笑ってしまった。もちろんじろりと睨まれたので俺はオホンとわざとらしく咳払いして座りなおした。
「染みが付いただろ…どうしてくれんだよ」
「クリーニング代なら喜んで出すで」
「あんな恥ずかしい染みの付いた服をクリーニングに出せるかっ」
「気にせんでももう俺が染み抜きしといたって、向こうに干してある」
だったら早くそう言えよと視線で訴えられて今度こそ可笑しさを堪えきれずに声を上げて笑った。というか堪える気もさらさら無かったが。羞恥に赤くなったMZDは目を反らして拗ねてしまっている。くそう性格悪いコイツ、そろそろ殺してやろうか、溺死させてやろうかそれとも毒で…どうやら唇が呪詛の言葉を吐き始めたのでやりすぎたかと俺も笑うのを止めた。それでも口に浮かんでしまう笑みは見逃していただきたい。
「大体子供が出来たら産めとか認知するとかふざけとんのかおのれは」
「めっちゃ大真面目。だから産んでくれへん?」
「煩い黙れガキが欲しいなら女でも抱い…たら殺す」
「いや聞こえとるから」
あ、舌打ちした。てかそんな赤い顔して舌打ちされても可愛いだけなんやけどね。気づいてる?気づいてないか。何このツンデレ生物。
「正月早々姫はじめできて嬉しかったで?今年もエエ性活ができそうな予感」
「今の生活って発音じゃなかったよな?」
「気にすんな。…あとで動けそうならまた着物着て少しでかけよか。化粧も直して」
な?と笑ってみせればこれ以上何を言っても無駄だと悟ったのか大人しくはちみつれもんを飲んだ。俺用に淹れたコーヒーの入っているカップに口をつけて一口、俺も喉を潤す。ふと気づいてカップの縁を見てみるとなにか赤い色が付着していた。血?それにしては少しピンクが混じっている気がする。もしかして、と手の甲で自分の唇を拭うとやはり同じ色の赤が付いた。そうか、キスしたときにMZDの口紅が付いたのか。化粧をした自分を想像して気持ち悪くなったのでやめた。気づかなかったことにしよう。
MZDの髪を梳くと柔らかい感触が心地良い。屈み込んでその唇に口紅が残っていないのを確認してから、俺は食むようにしてもう一度キスをした。
















「つか今思ったけどお前イメクラ好きだろ」

「うん」

「変態」





頑張って書きすぎた\(^o^)/ おかしいぞこの文章量 いつもより多いぞ
見辛くてすみませ…! 一つ一つの話にネタを盛り込みすぎていつも収集がつかなくなる
今回盛り込もうと考えてたネタ
・姫はじめ ・着物でセクース(嫌 ・遊郭チック
にょたにするかどうかはずっと悩んでました でも途中まで書いちゃってもういいやショタd(ry
とか思って結局いつもどおりガキんちょでユーズに喰っていただきました
姫はじめネタは書かないんですかとフられたので調子乗りましたごめんなさいorz
スケベと言っていただけた記念てことで輝様のみお持ち帰り自由です。ごめんなさい
まあこんなの持ち帰りおk!なんて言われても迷惑極まりないけどな!!


wrote:2009/01/07
up data:2009/01/08